2024.04.11

空気を食べる時代が来る?二酸化炭素から糖を作り出す研究が食糧生産に与えるインパクト

〈 前の記事へ
LeaLがお届けしているPodcast“サイエンスラバー”。今回は大阪大学基礎工学研究科(当時)の田畑裕さんに「二酸化炭素から糖を作り出す」研究についてお話を伺いました。「空気から食べ物を作る」というまさに夢のような技術のお話を、本編から一部抜粋してお届けします!

農業ではなく化学で糖を作るメリットとは?

小池:僕は農学部出身なので気づいたことがあるんですが…
「二酸化炭素から糖を作る」という反応は、実はこの地球では植物が光合成という形でずっと行ってきたものですよね。
いわば植物の専売特許とも言える反応ですが、田畑さんはなぜ、あえて化学というアプローチで同じ反応を研究しているのでしょうか?

田畑裕さん:
おっしゃる通り、この魔法の技術は数十億年も前から光合成細菌や植物がやってきたことです。
そういう意味ではすでに完成された技術とも言えるのですが、いかんせんこの反応には「速度がとても遅い」という側面があるんです。

小池:なるほど…

たとえばトウモロコシでイメージすると、どんなに早く作ろうとしても数ヶ月から1年というスケールになりますよね。しかも広大な土地を使わなくてはいけない。
しかし触媒を使って化学合成をすれば、面積あたりのスピードで言うと1000倍とか、1万倍も速いスピードで二酸化炭素から糖を作ることができます。
これが、化学で糖を作る一番のメリットだと僕は考えています。

原田:地球温暖化などが問題になっている中で、その速さで二酸化炭素を削減できると考えると夢がありますね。
(※)瀬戸キャスターの代打。LeaL映像プロデューサー

さらに、農業ができないような場所でも化学的に糖を作れるようになれば、今まで人が住むことができなかった場所にも住めるようになるかもしれません。
この研究にはそういったポテンシャルがあると思っています。


田畑さんの研究のお話からは、食糧生産を大きく変える予感をビシビシ感じますね…!
さらに本編では、そのまま食べるだけでなく燃料や材料にもなるという糖の幅広い活用範囲や、研究の具体的なプロセスなどについてもお話ししています。ぜひチェックしてみてください!

Twiterでこの記事をつぶやく
この記事をつぶやく
Facebookでこの記事をシェアする
この記事をシェアする
〈 前の記事へ