2024.03.25

読むサイエンスラバー! 「なぜ半導体の研究者が看護に‥?」工学の研究者が変える超高齢社会の医療ケアの現場

〈 前の記事へ
LeaLがお届けしているPodcast“サイエンスラバー”。今回は東京大学工学系研究科の一木 隆範さんがゲストです。「看護×工学」が現在のフィールドである一木さんですが、元々は「ダイヤモンドより硬い物質」や半導体を研究していたそうで...そんな一木さんはどのようにして看護にたどり着いたのでしょうか?一木さんに伺ったお話の一部を、この記事でお見せします!Check it out!

小池:一木さんのことを僕は工学系研究科というふうにご紹介しましたけれども、一木さんのご専門というのが 実は一般的な工学から大きく外れているんです。まず一木さんにはご自身のプロジェクトを1分間でお話しするチャレンジをしてもらいます!

一木隆範さん:
頑張ります。これから日本を始め世界中で高齢者の数がどんどん増えていくと、医療サービスがたくさん必要になるんですけど、実際に供給できる若い人が足りなくなるんですね。そこで起こる問題をいろんな方法、工学で解決していこうと。そういう分野の違う研究者が入って解決策を探るというプロジェクトをやっています。

小池:このプロジェクトの対象となるのは何でしょうか?

今から高齢社会が進んでいく中で医療が非常に大変になってくる。
そこを具体的にどこが大変になるかを考えてみようというところから我々はスタートしました。
実際に医療サービスはお医者さん、看護師さんなど医療従事者と言われる人たちが提供しています。
その数が医療サービスを必要としている人の数とバランスが取れなくなります。

小池:圧倒的に医療従事者が少ないということですね。

コロナが象徴的ですが、実はこれと同じようなことが今普通に起こっているんですね。
看護師は患者さんのそばにいてケアをする素晴らしい仕事で、それをやろうと思って看護師になったのに現場に行ってみると朝から晩まで「これを交換してください」とか「お薬配ってください」と時間に追われて、「理想だった職場と全然違っていた」と辞める方がすごく多いんです。
看護師さんにアンケートをとると「年に数回辞めたいと思う」と。
そういう現場の大変な思いをされている方々を救うのをプロジェクトの目標にしています。

小池:一木さんが看護に注目しているのはどうしてですか?

医療と工学の連携、医工連携という言葉を最近よく聞きますよね。
私も医工連携の研究していたんですが、人の幸せのためにやらないといけないことは何か本当に真剣に考えたところ、
やはり高齢者の人口構成の問題もあって、医工連携でぱっと思いつくような研究だけをやっていていいのかなと。

小池:誰が本当に困っているのか考えた結果、看護に繋がっていくという。

これは頭の中で考えても実は出てこないんですよ。
どうして看護に繋がったかというと、看護師さんと話をする機会があって、そのときに「実はここだな」と点と点が繋がって線になったみたいな感じですね。


このあとお話はナースステーションやナースコールの仕組みに広がっていきます。
なんと、いまのこうした医療現場のかたちは1800年代につくられてから変わっていないそうです。
本編では、工学が医療の仕組みをどう変えることが出来るのか、じっくりお話を伺っています!ぜひお聞きください!

一木さんがリーダーを務めるプロジェクト”CHANGE”のホームページはこちら

Twiterでこの記事をつぶやく
この記事をつぶやく
Facebookでこの記事をシェアする
この記事をシェアする
〈 前の記事へ