小池:早速矢内さんに研究について伺おうかと。無茶ぶりですが1分でお願いします!
矢内浩文さん:
何とか頑張ってみます(笑)。専門分野は人間情報工学です。一言で言えば とっさの判断とか行動に混入されるエラーやミスを素材にして研究しています。
冷静かつ論理的に考えたらそんなことしない!ということがありますけれども、慌てて判断するとついやってしまう。そこに人間の本質があるんじゃないかと研究しています。
もちろん研究することでわかりやすいものをデザインしたり、あるいはシステムを作ることに繋げたいというのもありますし、人間の本質、つまり人間って面白いな、なんでこうなのかなといったことを考えていけたらと思っているんです。
例えばなぜ人は誤字脱字を見逃してしまうのかも研究の題材の1つになっています。
小池:ちょうど1分ぐらいですね。素晴らしい!
だから研究対象はあらゆる身の回りのことですね。つまり何でも気になったことや、おやっと思ったこと、あるいはなぜ自分はそういったミスをしてしまったんだろうということを研究の域にまで結びつけていこうと。ただ、切り口をうまく作らないと人間情報工学にならないので、上手い切り口を見つけるまでが難しいんですが。
小池:先ほどとっさの判断というキーワードも出てきましたけど、これまでどんなものを対象にしてきたんですか?
例えば僕が車を運転していて、前の車のウインカーの方向を一瞬間違えて判断したことがあったんですよ。つまり右ウインカーが出ているのに 前の車が左に曲がるんじゃないかって自分が一瞬間違えたことがあって。それは自分が悪いのか、それとも前の車、ドライバーじゃなくてデザインが悪いんじゃないかなと。
小池:車の情報の出し方のために判断が遅れちゃったのかもしれない・・。
僕の研究分野は日常のあらゆることが研究対象になるので、このときは交通安全協会に「こんな誤解が生じる自動車があるので研究をしたいのですがどこに相談したらいいんですか」と聞いてみたら紹介されて。そうしたらやっぱりこの車のデザインのためにミスしやすいというのがわかったということがありました。
いったいこの車のウインカーは人間情報工学的に何が問題だったのでしょう。
本編では、ほかにも書き順は理にかなっているのか?など日常的に見過ごしがちだけど実は・・などがスッキリ解き明かされます!
ぜひお聞きください!