前回のセンター街でのフィールドワークを振り返ったあと、渋谷センター商店街振興組合常務理事の鈴木大輔さんに「渋谷の現状と課題」について話していただきました。
センター街のゴミ問題に日々直面している鈴木さん。路上飲酒は深夜にかけて多くなり、朝には大量のゴミが路上に捨てられています。散乱したゴミを片付けるために、センター街では多くの資金を清掃活動に費やさなければいけないという深刻な状況を語ってくださいました。
一方で、この問題をただ黙認しているだけではなく、実際に効果を上げた「ゴミを捨てられない工夫」など、既に取り組んでいる事例についても教えていただきました。
次にお話しいただいたのは、渋谷区危機管理対策部の斎藤兼一さんと東浦幸生さんです。路上飲酒を禁止する渋谷区の条例や、区で行っている路上飲酒に対するパトロールなどについて話していただきました。
また路上飲酒が引き起こす問題として、「酔っ払った集団が怖い」という地域住民からの声についてもご指摘がありました。
渋谷のマナー問題について新たな視点を得た東京外大の学生さんたち。早速、具体的な解決策を考えていきたいところですが、ここは一旦立ち止まって、そもそもどうしてこんな問題が起こってしまうのか、その原因を究明します。そして、問題の原因をしっかりと掴んだ上で、解決策を考えていきます。
活発に議論を続けるうちに、あくまでも自分たち形の仮説ですが、課題の構造が少しずつ見えてきました。
なぜ路上飲酒が起こるのか?
・渋谷へ来る外国人観光客への情報が、とにかく少ない
・お店がどこにあるのか分かりづらいし、どんなお店か分からず入りづらい
・飲食店にヴィーガンの商品があるか分からないから、結果コンビニに行くことになる
・そもそも路上での飲酒が問題とされていることも知らない
・ゴミ箱が設置されてないことも知らないから、ゴミの処理に困り、結果的に路上に捨ててしまっている
・情報不足こそが、路上飲酒やゴミのポイ捨ての根源かもしれない
なぜ住民は「怖い」と感じるのか?
・地域住民にとって来街者は、よく知らない人。しかも、自分たちの街を汚す
・だからこそ、地域住民と来街者の対立構造ができてしまっている
・「外国人」という言葉によって、一層心理的な距離が生まれている可能性もある
・地域住民と来街者の良い接点があれば、状況が改善される可能性があるかもしれない
今回のワークショップもあっという間に終了時間を迎えてしまいました。参加する皆さんの熱中さが伝わってくる、そんな時間を過ごせました!
次回は、鈴木大輔さんがセンター街で手がけているコミュニティスペースSpongeをお借りして、解決策のアイデアをブラッシュアップしていきます!
お楽しみに!